■精神障害の労災認定について

平成10年度では42件だった精神障害の労災請求件数は、平成22年度では1,181件と30倍近く増加しました。

この労災の認定には平均8.6か月という長い期間を要し、多くの事務量が費やされていることから、一層の効率化を計り迅速に対応できることが求められています。

そのため、厚生労働省は、自殺やうつ病、セクシャルハラスメントなどの労災認定を迅速に行えるよう労災認定のあり方を検討する専門検討会を設置しました。そして、11月8日、精神障害の労災認定を迅速に行うため、分かりやすい「ストレス」の具体例などを示しました。

具体的には業務による心理的負荷(ストレス)の評価基準の作成や運用の在り方などを検討しています。 評価基準として、心理的負荷の強度は具体的な出来事によって「I」、「II」、「III」の三段階で判断し、 さらに具体例を元に「弱」、「中」、「強」と分類する表があります。

たとえば、「嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という具体的出来事の心理的負荷の強度は「III」と一番高い出来事に分類されます。

その中でも、「部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた」場合、もっとも重い「強」と判断されます。

しかし、「上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した発言があったが、これが継続していない」場合等は「中」と判断されます。

このように、厚生労働省は評価基準を明確にすることによって迅速に労災認定ができるよう改善に努めています。 どのような事が心理的負荷に当たるのか一度見てみるのも社会生活の上で役に立つかもしれません。

厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001u5d4.html





 

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